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【読書メモ】白熱日本酒教室

上方落語で、お酒も甘党もどちらもやれる人のことを「雨風」と呼ぶくだりがある。ご隠居さんが与太郎に「両方いける口か、雨風やな」と言い「どっちが雨でどっちが風やろ、やっぱりあめだけに甘党が雨なんでっかな」というようなやり取りになる。
今日びは両方やれるほうが多数派だろうし、そもそも日常会話で使う言葉とも考えられないから死後どころか消えた言い回しのようなものだろう。

自分も多数派で、甘ものお酒両方好んで摂取するくちだ。さらにどちらかと聞かれるとお酒と答えるだろうか。
飲むのも好きだけどお酒に関する本を読むのも好きで、本屋に寄ったときは酒類コーナーによく立ち寄る。

ただ、1冊買う代金でその分美味しいお酒を飲んだほうが良いと考えてしまい手にとっただけで買うことはほぼ無いのだけれど、実地で知識を仕入れるのにも限界がある。今の世の中、売っている酒の種類たるやべらぼうなもので、近所のスーパーに売っている分でさえ制覇できるかどうかわからない…お金はともかく肝臓ももたない、ぐらいだから入門書の類は買っておきたいような気もする。


白熱日本酒教室 (星海社新書)白熱日本酒教室 (星海社新書)
(2014/11/26)
杉村 啓、アザミ ユウコ 他

商品詳細を見る
 

本書は書名のとおり、日本酒の入門書的な一冊。

こういった入門書だとおすすめの銘柄がいくつか、本によってはかなりの種類載っているものだけどこの本はラベルの見方から、製法、美味しい飲み方など、基礎知識の案内に終始している。自分の好みを選ぶ助けになるという内容になっているから、読んで覚えた知識を元に買った1本から自分の好みを確定させるという意味ではありがたいかもしれない。

全く主観でものをいうのだけど、この手の「お酒の本」が良いものかというのを判断する基準として
①中立的な立場で書いているか
②押し付けがましくないか
の2点が指標になるのではないかと考えている。
少し詳しく書くと、お酒について語るとき…ことに日本酒だと「由緒正しい純粋なものが良い」という立場で語られることが多く、かつその基準を外れたものを憎悪することがよく見られる。
もちろん考えは人それぞれとはいえ、個人的な考えとしてはそこまで極端に純粋を追い求めるのはいかがなものかと思う。ましてや「入門書」で大上段からぶっつけるものではなく、選択肢だけ提示しておいてあくまで選ぶのは飲み手でないといけないんじゃないかと思う。

引用はしないけど、その辺のどぎつさもないので日本酒に興味があるなら読んでおいて損はなさそうだ、と思う。
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[読書メモ]納豆の快楽

「豆を納めると書いて納豆、豆が腐ると書いて豆腐。逆やろ」嘉門達夫のCDからのネタ。
本当、なぜだろうねーなどと笑っていたのだが、この本を読んで語源を知ることになった。

醸造学の専門家で、発酵食品は研究するのも食べるのも大好き!という著者の本なので納豆激推しである。
まず美味い。うまみの基になっているグルタミン酸が大豆には多量に含まれている。米の飯に合い、消化酵素のおかげで丼飯の早食いにも合う。たんぱく質・アミノ酸・ビタミン・亜鉛など栄養も豊富だ。
さらには食中毒の予防にも効果を発揮する。

培養基を観点で固めた培地の上で、納豆菌と病原性大腸菌を一緒に増殖させますと、納豆菌はその増殖力の速さと威力のために大腸菌を淘汰してしまい、納豆菌のみの世界になってしまうのです。


納豆菌が体に良いのは聞いていたがこれほどまでとは知らなんだ。
そのほか納豆の歴史や分布、食文化論までみっちり詰まっている。これ一冊で納豆マニア入門としては充分だ。

後半は丸々オリジナルの納豆レシピの紹介となっているから知識だけでなく食べる分にも実用性バッチリである。
納豆がお好きな人にはたまらない一冊。苦手な人は受け付けられないかもしれないけど、そもそも苦手だったら表紙を見ただけで買わないか。

納豆の快楽 (講談社文庫)納豆の快楽 (講談社文庫)
(2006/12/15)
小泉 武夫

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ちなみに、納豆の語源は藁に包む、室で保管するなど「納める」工程が主だからだそうです。

[読書メモ]黒いカーニバル(新装版)

『華氏451度』や『火星年代記』などで有名なレイ・ブラッドベリの初期の短編集。初出は1947年。ゴジラより7年も早い。
もちろん、内容のほうは古臭くなんかはない。ほとんどSFを読んだことがない人や1~2年前から急にSFにはまりだしてここ最近の話題作を片っ端から読んだような人でも充分に楽しく読める短編が並んでいる。

ただ、“楽しく読める”と書いてしまったけどコミカルなのやハートウォーミングなのはまるでない。
収録短編24本(2話の続き物含む)のうち、誰かが死んでしまったり消滅してしまったりする話がやたらと多いのだ。
悪行の報いで最後に命を落とす羽目になる人間もいるし、理不尽にも悲惨な目にあうような人物もいる。
きれいにまとまってハッピーエンドらしく終わっているのは個人的には1本だけしかないように感じた。

それでも、良い短編集なのは間違いない。人によるかも知れないけど、悲惨な結末の話であっても読んだ後にいやな気分になるということはなく、懐かしの日本昔話や海外童話劇場でたまにあったような怖めの話を見たときのような感じだ。

黒いカーニバル (ハヤカワ文庫SF)黒いカーニバル (ハヤカワ文庫SF)
(2013/09/05)
レイ ブラッドベリ

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[読書メモ]うわん: 七つまでは神のうち

(あらすじ)
名医と評判の青庵の娘・真葛は、医者小町と呼ばれる器量よし。母亡き後、父の手伝いも器用にこなす利発な娘だ。大嵐の日、息子の太一とともに往診から戻った青庵はそのまま倒れ臥してしまう。さらに幼い太一の体には、妖怪うわんが宿っていた!うわんは真葛に、父と弟を助けたいなら、九百九十九の妖たちを捕らえてこいと命じるのだが…。


現世に放たれた妖怪たちを利発な娘と妖怪のコンビが退治していく話。
と、いってしまうとゴーストバスターズのようなコミカルなストーリーのようだが、単に人を取って食うだけのような怪物はあまり登場せず愛情や憎しみといった人の思いが妖怪の力を借りて表出したようなものが多く終始シリアスな展開が続く。


うわん: 七つまでは神のうち (光文社文庫)うわん: 七つまでは神のうち (光文社文庫)
(2013/04/11)
小松 エメル

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[読書メモ]TEDトーク 史上最高のプレゼン術


5日の日記
にも書いているように緊張しいな性分で人前で話すのがとにかく苦手だ。
今の職場に勤めるようになって9年になるが、最初のころは世間話をするだけでシャツが濡れるぐらい汗をかいてしまい
当時の上司に「ちょっと言葉使い悪くても殺さへんよ(笑)」と冗談交じりで言われるぐらいのあがりっぷりだったのだ。
さすがに今はそこまで緊張しないがそれでも他人様との世間話も流暢にとは行かず、ましてやミーティングだの
プレゼンだのとなると毎回頭がパーになってしまう。

去年ごろから緊張度合いが増してきているような気がして参っていたところに、去年の暮れに
同僚がなにやらプレゼンの方法を勉強しているようだったので少し見せてもらったのがTED Talksというサイト。
そのときはそんなに気に留めることもなかったのだけど、年末に本屋をうろついていたらたまたまこの本が目に入り購入。

効果的なプレゼンが出来るようになるための具体的なノウハウが書かれた本で、
例えばTEDのプレゼンターに運営側から示される“TEDの十戒”というのがこちら。

①十八番の披露にとどまることなかれ。
②大きな夢を語れ、あるいは人々の驚きを誘う新しい何かを示せ。もしくは、はじめて明かす話をしろ。
③ストーリーを語れ
④闇に葬り去られたくなければ、ステージ上での売り込みはやめるべし。
 会社や商品、著書の宣伝をするなかれ。資金調達を請うてもいけない。
⑤「笑いは宝」と心得よ。
⑥好奇心と情熱を惜しみなく示せ。
⑦良き関係づくりと最高の議論を目的として、他の話し手の発言には自由に意見を述べるべし。
⑧自慢話に終始するべからず。己の弱みを隠すなかれ。成功とともに失敗を語れ。
⑨原稿を読むべからず。
⑩次の話し手の時間を奪ってはならない。


この10項目を意識するだけでも悪くないプレゼンになるような気がする。
テーマの絞り方からスピーチの進め方・言葉の選び方やスライドの効果的な見せ方まで判りやすく書かれているので
しっかり読んで覚えることが出来たら人前で話すことが苦にならなさそうだ。

ここに書かれているのはいわばテクニックのようなことなので、実践できるかどうかというのは別の話だけど
うまく話せないことでストレスになるならテクニックを知っておくのは悪いことではない。
読んでおいて損はない本だと思う。

TEDトーク 世界最高のプレゼン術TEDトーク 世界最高のプレゼン術
(2013/07/18)
ジェレミー・ドノバン

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[読書メモ]藤澤清造短編集

『苦役列車』などでおなじみ西村賢太が師とあおぐ藤澤清造の作品集。
短編11点と戯曲2点を収録しています。

最初から終いまでとにかく重苦しい。例えるならまとめサイトで「病気と貧乏で人生詰んだww」といったスレで事態が一切好転することなくほんとうに「人生詰んだ」状態のまま終了してしまったときのやるせない気分になる話という感じです。

もちろん、やるせなさ度合いはこちらのほうがずっと上で、病気をわずらった男が友人に治療費を借りようとするがうまくいかず、ひとり不安に押しつぶされる話だとか、叔父から預かっていた現金を使い込んでしまいどうにか工面しようと嘘を重ねて奔走する話だとか、貧乏がために母親を病死させてしまった男の苦悩だとか、養う術がないのに六人の子供の親になることに絶望してしまう話(タイトルが「殖える癌腫」!)だとかがややくどめな描写で鬱々とつづられています。

藤澤清造が活動していたのは明治から大正・昭和初期にかけてだけれども、最初の例えのように2014年の今でも「人生詰んだ」話というのは現実にあるわけで、陰気な小説と笑い飛ばすわけにはいかないなーと思ったりするのでした。

藤澤清造短篇集 (新潮文庫)藤澤清造短篇集 (新潮文庫)
(2012/02/27)
藤澤 清造

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Author:カノヤマ
1975年生まれのとりあえず社会人。

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